はじまる

こんにちは、隔勤タクドラのはじまるです。

みなさん元気ですか?

私は元気ですよ(^^♪

外国人のお客様が乗るとき、正直ちょっと身構えるんですよね。

「言葉、通じるかな」
「聞き間違えたら、変な空気にならないかな」

でも不思議なもので、そういう時ほど“ちょっとしたズレ”が、車内を一気にあたたかくしてくれる。

「ちゃりんこ」って、急に日本人でてきた

先日乗ってくれたのは、日本に住んでいるという欧米系の女性。
英語がメインだけど、簡単な日本語ならぽつぽつ話せるタイプのお客様だった。

「近くの百貨店で、久しぶりに友達に会うの」
そう言って、嬉しそうに笑う。こっちまでなんか和む。

雑談の流れで、女性がさらっと言った。

女性「普段だったら、???でほにゃらら…」
私「すいません、少し聞き取れなかったです」
女性「???で行くのよ」
私「???って、なんですか?」

すると彼女は、ちょっと照れた顔をして言い直した。

女性「ああ、ちゃりんこよ、ちゃりんこ」

……ちゃりんこ?

私の脳内は一瞬フリーズ。
英語なら bicycle って出てくるのに、なぜそこだけ“ちゃりんこ”なん。

私「ああ!自転車ですね!バイシクルか~!!」

そこからはもう早い。
「ちゃりんこって言うの可愛い」だの、「発音むずいよね」だの、笑いながら会話が盛り上がって、車内の空気が一気に軽くなった。

言葉が完璧じゃなくても、通じ合う瞬間ってある。
あれ、地味にうれしい。

「白い恋人のトラック」…存在しないのに断言される

別の日。
今度は着物姿のアジア系カップル。観光名所で写真を撮っていたらしく、二人とも華やかで、雰囲気がすごく良かった。

日本語は片言だけど、一生懸命伝えようとしてくれる。
その感じがまた良くて、こちらも自然と丁寧になる。

目的地が近づいてきた頃、私はいつもより分かりやすい言葉を選んだ。

私「どちらに停めましょうか?」
男性「あの、白いの前ね」

白い何か。OK、まずは確認。

私「白いトラックの前ですね」
男性「ちがう、白いのトラックの前?」
私「白のトラックの前だと、こちらですか?」

すると男性が、待ってましたみたいに言った。

男性「違う違う、もう少し前の、白い恋人のトラックの前」
私「白い恋人ですか、、、」

……白い恋人。

北海道のお土産で有名な、あの白い恋人だよな。


でも、そんなトラック――見当たらない。

それなのに男性は自信満々で、頷きながら追撃してくる。

男性「そうそう、白い恋人ね」
男性「その前のトラックね」
私「かしこまりました」

私は心の中でつぶやいた。

(白い恋人のトラック、どこ……?)

正解は「褐色の恋人」だった

結局、私が停めた場所は――

白い恋人のトラックではなかった。

そもそも、トラックが緑。

で、正体はこれ。

出典:https://www.sujahta.co.jp/wse/drive/

スジャータのトラック。

つまり、男性が言いたかったのは、たぶんこう。

白い恋人じゃなくて、褐色の恋人。

もうこの瞬間、「勘違いってほんまにすごいな」と思った。
発想の飛び方が、こちらの想像を軽く超えてくる。

でも、何がいいって。
その間違いのおかげで、こちらの記憶にもガッツリ残るし、たぶん相手の記憶にも残る。

恋人シリーズ、強すぎる。

伝わらないのに、なぜか伝わる日がある

コミュニケーションってほんと難しい。
言葉が通じないだけじゃなくて、「知ってる言葉」も「聞こえ方」も、人によって全然違う。

でもそのズレが、笑いになって、会話になって、いい思い出になったりする。

お客様が楽しそうだったから、まあオッケー。
今日もタクシーの中で、小さな異文化の奇跡が起きたってことで。